匇々さッさ)” の例文
私のように何も無い者は、生活に疲れて路傍みちばたに倒れて居ても、誰一人たれひとり振向いて見ても呉れない。皆素通すどおりして匇々さッさと行って了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
たまたま立止る者が有るかと思えば、つらつら視て、金持なら、うう、貧乏人だと云う、学者なら、うう、無学な奴だと云う、詩人なら、うう、俗物だと云う、そうして匇々さッさと行って了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)