利巧りかう)” の例文
「あゝさうか、二十二ね、女のひとが二十四五に見えるつてのは、利巧りかうだつて云ふ事だよ。若く見て貰ひたいなンておろかな事だ」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
「あの娘は利巧りかうだから、その晩仕掛けをして置いて勘十郎を呼出した。勘十郎は約束した刻限に、氣もそゞろであの暗くて急な梯子段を降りたことだらう」
「あれ、お前もなか/\洒落しやれたことを言ふぜ。何時の間に、そんなに利巧りかうになつたんだ」
お銀さんは利巧りかうな人だから、二年後に髮まで切つてわびを入れ、元の板倉屋に戻りましたが、その時はもう、新六郎樣と、今の旦那の娘のお絹さんと、祝言するばかりに決つてをりました