利巧者りこうもの)” の例文
しかし、軍功帳の書き上げには、白痴の首も、利巧者りこうものの首も、首に区別はない。あるのは、身分の上下だけである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
綻びた下から醜い正体が、それ見た事かと、現われた時こそ、身のさび生涯しょうがい洗われない。——小野さんはこれほどの分別を持った、利害の関係には暗からぬ利巧者りこうものである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)