“出會(でくわ)” の例文
新字:出会
が然し、此一事件は、自分といふ小なる一人物の、小なる二十幾年の生涯に於て、親しく出會(でくわ)した事件の中では、最も大なる、最も深い意味の事件であると信ずる。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ある事件や、ある風景を見て、おやおやこれはいつか見たぞ、と思ふことによく出會(でくわ)す。あの時もこれとおんなしやうな情態でこんな風なことを爲たり言つたりした、と思ふのだ。
砂がき (旧字旧仮名) / 竹久夢二(著)
又斷つて置く、自分は既に此事件を以て親(みづか)ら出會(でくわ)した事件中の最大事件と信じ、其爲に二十幾年養ひ來つた全思想を根柢から搖崩された。そして、今新らしい心的生涯の原頭に立つた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
今日自分が偶然路上で出會(でくわ)した一事件——自分と何等の關係もないに不拘(かゝはらず)、自分の全思想を根柢から搖崩(ゆりくづ)した一事件——乃ち以下に書き記す一記事を、永く/\忘れざらむためであつたのだ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)