旧字:圓屋根
寺院の円屋根はこの橋の上からながめるほど、すなわち礼拝堂まで二十歩ばかり隔てた辺からながめるほど鮮やかな輪郭を見せる所はない。
教会の金の円屋根がひかった。月の光のとどかない暗い隅で、研屋の男の廻り砥石と肉切庖丁との間から火花が散り、金ものの熱する匂いがした。
ローマン・カソリックの円屋根の鐘が午前三時を打った。米良は電報を開いて読んだ。シイ・ファン・ユウが早朝天津から香港に向けて出発する知らせであった。
このパロットが一八二九年の九月二十七日「永遠の氷が形づくる円屋根」に立ったのである。
町へ近づいた時、私は我国の議事堂に似た円屋根を持つ、大きな建物があるのに気がついて、如何にも国へ帰ったような気がしたが、聞いて見ると事実これは蝦夷の議事堂だった。