六無斎ろくむさい)” の例文
碑のおもては荒れてよく見えないが、六無斎ろくむさい友直居士の墓とおぼろげに読まれる。竹の花筒には紫苑しおんや野菊がこぼれ出すほどにいっぱい生けてあった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
金も無けれど死にたくも無しの六無斎ろくむさい林子平はやししへいの墓などを訪れて、何か深い意味ありげに一礼して、その他、つつじヶ岡おか、桜ヶ岡、三滝温泉、宮城野原みやぎのはら多賀城址たがじょうしなど、次第に遠方にまで探索の足をのばし
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)