公文くもん)” の例文
空で覚えている一二の実例をいうと、公文くもんすなわち荘園時代の書記役の給田きゅうでんの地を、公文給くもんきゅうと呼んでいるのは古い名残であるのに、それを今「九文久」と書いている処がある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それほど物の判った人の住んでいた土地である。古老の説では、里ごとに里長一人あり、これを公門くもんというとある。公門はすなわち公文くもんであって、荘園第二級の事務員の名である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それからまた荘園の諸役、公文くもんとか案主あんじゅとかの給与せられた田畠、鎮守・菩提寺の帰依きえ尊信を意味する寄附地・除地・免地なども、多くは地名になってその当時の状況をうかがわしめる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)