公卿侍くげざむらひ)” の例文
「いや、赤井主水は公卿侍くげざむらひで、如才なく寺社の方に渡りをつけて居る。それに紫琴女は御連枝だとも言ふ」
元は上方生れ、公卿侍くげざむらひの子で、二十年前に不心得な母親に逃げられ、間もなく亡くなつた父親に言ひ含められて、父親に代つて女敵討めがたきうちを心掛けて居るといふ——大變な男ですよ
教祖は紫琴しきん女、良い女だ相ですが、これは四十を越した中婆さん、別當は赤井主水といふ立派な公卿侍くげざむらひ、祈祷僧は法來坊といふ、武藏坊辨慶のやうな大坊主、鉦を叩いてお經を上げて