入牢にふらう)” の例文
上田と四郎左衛門とが捕へられた後に、備前で勇戦隊を編成した松本箕之介みのすけ入牢にふらうし、これにあづかつた家老戸倉左膳の臣斎藤直彦も取調を受けた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
中にも名高いのは和泉いづみ中瑞雲斎なかずゐうんさいで、これは長男克己、二男鼎、三男建と共に入牢した。出雲の金本顕蔵、十津川の増田二郎、下総の子安利平治、越後の大隈熊二なども入牢にふらうした。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それが一昨年太郎兵衞の入牢にふらうしてからは、兎角孫達に失望を起させるやうになつた。おばあ樣が暮し向の用に立つ物を主に持つて來るので、おもちややお菓子は少くなつたからである。
最後の一句 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)