はかの)” の例文
先年尾上おのえ家の養子で橘之助きつのすけといった名題俳優やくしゃが、年紀とし二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残してはかのうなり、贔屓ひいきの人々はうまでもなく
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)