供物そなえもの)” の例文
前後あとさきに人はなし、床几しょうぎにも誰もらず、目白もかくれて、風も吹かず、気は凝ってしんとしたから、その柿と、梨と、こつこつと積んだのが、今通る娘のために、供物そなえものした趣があったのである。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)