伊丹幸いたこう)” の例文
それはさしかざす絵日傘のかげになまめく顔や顔のなかで子安貝の背に彫ってはめたようなすずしいまなざしをした子で、伊丹幸いたこうの□□□という。
小品四つ (新字新仮名) / 中勘助(著)
が、それは伊丹幸いたこう政巳まさみと云って、お珊がわかい時から可愛がった妹分。その女は、と探ってみると、現に丸官に呼ばれて、浪屋の表座敷に居ると云うから、その身代りが交ったというのでもないのに。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)