伉儷こうれい)” の例文
父の定めた伉儷こうれいが成立してみれば、自分の作った恋愛はあきらめなければならぬ、それをあきらめると、当然一人の犠牲者を出さなけりゃならぬ、この場合の失恋者が
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
抽斎の岡西氏徳をめとったのは、その兄玄亭が相貌そうぼうも才学も人に優れているのを見て、この人の妹ならと思ったからである。然るに伉儷こうれいをなしてから見ると、才貌共に予期したようではなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)