仮漆ヴァーニッシ)” の例文
仮漆ヴァーニッシで塗り上げた角材を幾段にも組み上げて、高いものを一層高く見えるように工夫したその天井は、小さい彼の心を包むに足りなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
下は左右を銀金具の抽出ひきだしに畳み卸してその四つ目が床に着く。床はくすの木の寄木よせき仮漆ヴァーニッシを掛けて、礼にかなわぬ靴の裏を、ともすれば危からしめんと、てらてらする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)