人食ひとくい)” の例文
仕事場の一方には出来上った様々の人形が不思議な群像をなし、そのかたわらに未完成の頭、腕、足などが、まるで人食ひとくい鬼の住家すみかの様にゴロゴロと転がっていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それでもこの辺までは、まだ人食ひとくい人種がところどころにいてね、道など一本もない恐ろしい密林の奥から、首切りの祭の太鼓の音が、かすかに聞えて来ることもあったのさ。
乃公は人食ひとくいの兄弟だ!
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)