亡国ぼうこく)” の例文
そして、亡国ぼうこくの余煙をとむらわんとするのか、おがむように笙を持って、しずかに、その歌口うたぐちへくちびるをあてた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叔父おじであろうが、肉親にくしんであろうが、亡国ぼうこくの血すじのものとなれば、よせつけないのが戦国のならいだ。忍剣もうらみをのんでふたたびどこかの山奥へもどるよりすべがなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)