芝浦しばうらの月見も高輪たかなわ二十六夜待にじゅうろくやまちも既になき世の語草かたりぐさである。南品なんぴんの風流を伝えた楼台ろうだいも今はただ不潔なる娼家しょうかに過ぎぬ。