二側ふたがわ)” の例文
光線がなるべく余計取れるように明るくこしらえた部屋の二側ふたがわに、手術用の椅子いすを四台ほどえて、白い胸掛をかけた受持の男が、一人ずつ別々に療治をしていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本来なら空地を行き尽してまたあき地、とか何とか威張ってもいいくらいに家の二側ふたがわを包んでいるのだが、臥竜窟がりょうくつの主人は無論窟内の霊猫れいびょうたる吾輩すらこのあき地には手こずっている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)