“中野輝一”の読み方と例文
読み方割合
なかのきいち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中野君がかような人であったなら、出鼻をはたかれてもさほどに口惜くやしくはなかったろう。しかし高柳君の眼に映ずる中野輝一なかのきいちは美しい、賢こい、よく人情を解して事理をわきまえた秀才である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
道也先生はやがてふところから例の筆記帳を出して、原稿紙の上へ写し始めた。はかまを着けたままである。かしこまったままである。袴を着けたまま、かしこまったままで、中野輝一なかのきいちの恋愛論を筆記している。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)