上臈じやうらふ)” の例文
其處から二三丁下つたところに所謂いはゆる行宮あんぐうの跡があつた。其處も前の上臈じやうらふの庵のあとゝ同じく小さな谷間、と云つても水もなにもない極めて小さな山襞やまひだの一つに當つてゐた。
樹木とその葉:03 島三題 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
『上皇のお側に仕へてゐた上臈じやうらふがおあとを慕うて島へ渡つて參り、程なく身重になつた。で、身二つになるまであそこの谷間に庵を結んで籠つてゐたと云ひ傳へられてゐる處です。』
樹木とその葉:03 島三題 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)