一夢いちむ)” の例文
昨日きのうとなれば何事もただなつかし。何ぞ事の是非をきわめて彼我ひがあやまちあきらかにするの要あらんや。青春まことに一夢いちむ。老の寝覚ねざめに思出の種一つにても多からんこそせめての慰めなるべけれ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)