“キールン”の漢字の書き方と例文
語句割合
基隆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
淋しい山に取かこまれた港は基隆キールン名物の濛雨におおわれて淡く、陸地にこがれて来た私達の眼前に展開され、支那のジャンクは竜頭を統べて八重山丸の舷側へ漕いで来た。
梟啼く (新字新仮名) / 杉田久女(著)
植木屋の六の親子も入れて十四五人ぐれえ居りましたっけが……そんな連中に基隆キールンで買った七十銭の地球儀を見せびらかして、日本の小さい処を講釈して聞かせたりして片付いておりましたがね。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
真直まっすぐ行けば基隆キールンまで行きますよ。基隆から船で内地へ行かれるのですか。それとも別に目あてのない気紛れの旅行ですか。それなら、どうです? 僕も旅行家ですが僕と一緒いっしょに二八水で降りては。
蝗の大旅行 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)