“はやこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
早来50.0%
早子50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古い物語に母一人子一人、夕の山路を物淋ものさびしく通っていると、早来はやこ早来とこの鳥が啼いた。そうして心付いて見ると、背の幼な児は死んでいたという。
早来はやこ・早来と啼く鳥の声を聴いて、悲しく怖ろしく道を急いでいると、いつの間にかその背の子が死んでいた。これは『藻塩草もしおぐさ』という本にある話で、多分知っている人も多いであろう。
早子はやこと云ふのは顏は痩せてゐたけれども目をつぶつたりすると印象の強い暗い蔭が漂つた。そうして口豆くちまめな女だつた。艶子つやこと云ふのがゐた。顏の輪廓の貞奴に似た高貴な美しさを持つてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)