“ぬのくず”の漢字の書き方と例文
語句割合
布屑100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、源造は、真暗な船底で、しきりとマッチをすっていたが、やがて、パッと燃え上ったのは、油のしみた布屑ぬのくずだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
男の手はうしろから女の口へ、そこに白い布屑ぬのくずみたいなものが、猿ぐつわのようにしつけられていた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
決して夢や幻でなかった証拠しょうこには、彼が猛獣の姿を見た現場からほど遠からぬ木立の中に、愛犬熊公の無残に食い裂かれた死骸しがいが、まっ赤な布屑ぬのくずみたいになって横たわっているのが発見された。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
海底の様にの林はないけれど、その代りに、木切れ藁束わらたばドロドロの布屑ぬのくず、犬とも猫とも知れぬ小動物の白骨などが、濁った水底にブヨブヨと蠢いている様は、海などよりも一層不気味に物凄かった。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)