“といやば”の漢字の書き方と例文
語句割合
問屋場100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
駕籠屋は一息入れているのであろうが、註文通り、兵馬には一言の挨拶もなく、やがてまた、同じ駕籠を担ぎ出したところを見ると、問屋場といやばではなかったらしい。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
胸に叫び、心に誓って、鶉坂うずらざかをいッさんに、狂者のごとく駈けて出た江漢老先生。加山耀蔵が、車町の問屋場といやばから曳き出した裸馬の背へ、ひらりっととび乗るがはやいか
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎月上半期を半蔵の家の方で、下半期を九太夫くだゆう方で交替に開く問屋場といやばは、ちょうどこちらの順番に当たっていた。吉左衛門の足はその方へ向いた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)