“じきひつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
直筆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、グルストン街の壁の文字だけは、最初のそして最後の、純正な犯人の直筆じきひつである。この唯一の貴重な証拠が、心ない一巡査の手によって無に帰したのは、かえすがえすも遺憾のきわみであった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
おそれ多くも、君祖家康公よりお直筆じきひつ墨付きを頂戴しておるお目見得格めみえかく、松井一族を、どう御処分あるや、拝見な仕りたい。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が直筆じきひつの手本というものは今も村に残っている。磯部に於ける彼は決して不人望ふじんぼうではなかった。弟子たちにも親切に教えた、色々の慈善をも施した。碓氷川の堤防も自費で修理した。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)