“くらやみざか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暗闇坂50.0%
暗闇阪50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひい、ふう、みい……まるで暗闇坂くらやみざかでひとつ眼小僧にでもあったときのよう、大きな図体ずうたいをしたふたりが、わあッ、と声をあげながら一目散いちもくさんに居酒屋から逃げだした。
例えば四谷愛住町よつやあいずみちょう暗闇坂くらやみざか麻布二之橋向あざぶにのはしむこう日向坂ひゅうがざかの如きを見よ。といった処でこれらの坂はその近所に住む人の外はちょっとその名さえ知らぬほどな極めて平々凡々たるものである。
鬱陶しいほど両側から梢の蔽い重なった暗闇阪くらやみざかを降り尽して、左に曲れば曙湯あけぼのゆである。雨の日には浴客も少なく静かでよい。はいっているうちにもうがつく。
やもり物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
明治二十三年庚寅の春、あたかも上野公園に第三回内国勧業博覧会の開始せられようとする頃、枕山は仲御徒町三枚橋の旧宅を売払って下谷花園町十五番地暗闇阪くらやみざかに転居した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)