“からびく”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
空魚籠	66.7%
空畚	33.3%

空魚籠

草津温泉の澁峠を越えて、澁温泉の方へ渓流魚を探りながら下って行ったところ、この辺の渓にはほとんど魚の影がなく、空魚籠（からびく）を提げて帰ってきたのも、微笑ましかった。

水の遍路 (新字新仮名) ／ 佐藤垢石(著)

それも運に恵まれた日で、多くは空魚籠（からびく）である。それに引きかえ、カズラ網の方は一曳きに五、六百貫の大鯛が入るのだから、一本鈎の漁師がカズラ網に釣り場を荒らされると思うのは当然だろう。

鯛と赤蛸 (新字新仮名) ／ 佐藤垢石(著)

空畚

獲物の有無（ありなし）でおもしろ味に変（かわり）はないで、またこの空畚（からびく）をぶらさげて、蘆（あし）の中を釣棹（つりざお）を担いだ処も、工合の可（い）い感じがするのじゃがね。

悪獣篇 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)