“かやりこう”の漢字の書き方と例文
語句割合
蚊遣香100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
香炉こうろ蚊遣香かやりこうが一本立ててある。二人の感情のように、ほそい線が、二人を縛る。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蚊遣香かやりこうもばったり消えて、畳の目も初夜過ぎの陰気に白く光るのさえ、——寂しいとも思われぬ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつもお雪が店口で蚊遣香かやりこうも、今夜は一度もともされなかったと見え、家中いえじゅうにわめく蚊の群は顔を刺すのみならず、口の中へも飛込もうとするのに、土地馴れている筈の主人も
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)