昭和十九年の暮に、岩波文庫の一冊として『島津斉彬言行録』が出版された。これには牧野伸顕伯の序文がついている。 当時既に日本は断末魔の境にあり、この本なども、ぼろぼろの藁半紙のような紙に印刷されているまことに粗末な本であるが、これは私にとって …
著者 | 中谷宇吉郎 |
ジャンル | 歴史 > 伝記 > 個人伝記 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「西日本新聞」1955(昭和30)年10月20日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約4分(300文字/分) |