浮世絵画家の肉筆うきよえがかのにくひつ――花は霞を透してひとしおの風情があるもの――――はなはかすみをとおしてひとしおのふぜいがあるもの――
浮世絵画家の肉筆というものは、錦絵とはちがった別の味わいがあるものですが、こんど蒐集陳列されたものは、屏風、掛物、巻、画帖など種々な形のものがあって、しかも何しろ二百点ばかりもあったろうと思いますから、こういう展覧会としても、なかなか見ごた …