しま
島で、或あさ、 鯨がとれた。 どこの家でも、 鯨を食べた。 鬚は、呻りに、 売られていつた。 りらら、鯨油は、 ランプで燃えた。 鯨の話が、 どこでもされた。 島は、小さな、 まづしい村だ。 (註。鯨の鬚は、凧の呻りに用ゐられます。) …
題名が同じ作品
(新字旧仮名)新美南吉 (著)