国文学の発生(第一稿)こくぶんがくのはっせい(だいいっこう)呪言と敍事詩としゅうげんとじょじしと
日本文學が、出發點からして既に、今ある儘の本質と目的とを持つて居たと考へるのは、單純な空想である。其ばかりか、極微かな文學意識が含まれて居たと見る事さへ、眞實を離れた考へと言はねばならぬ。古代生活の一樣式として、極めて縁遠い原因から出たもの …