蛋白石たんぱくせき
劇場の廊下で知り合いになってからどう気が向いたものか肇はその時紹介して呉れた篤と一緒に度々千世子の処へ出掛けた。 千世子は斯うやってちょくちょく気まぐれに訪ねて来る青年に特別な注意は、はらわなかった。 けれ共相当の注意を無意識の裡に呼び起こ …