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此方側
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こちらがは
「をかしな
奴が
一人、
此方側の
土塀の
前に、
砂利の
上に
踞みましてね、
通るものを
待構へて
居るんです。」
すると美禰子は石の上にある
右の足に、
身体の重みを托して、左の足でひらりと
此方側へ渡つた。あまりに下駄を
汚すまいと念を入れ過ぎた為め、力が余つて、腰が
浮いた。
足へ力を入れて、肩を
揺つて調子を取つてゐる。三四郎は
此方側から手を出した。
二人はすぐ
石橋を渡つて、左へ折れた。
人の
家の
路次の様な所を十間程行き尽して、門の手前から板橋を
此方側へ渡り返して、しばらく
河の
縁を
上ると、もう人は通らない。広い野である。