麥藁俵むぎわらだはら)” の例文
勘次かんじはおしながどうにか始末しまつをしていた麥藁俵むぎわらだはらけて仕上しあげたばかりの藁俵わらだはらこめはかんだ。こめにはあかつぶもあつたがあらすこまじつててそれがつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しな蒲團ふとんなかでも滅切めつきりあたゝかくつたことをかんじた。時々とき/″\まくらもたげて戸口とぐちからそとる。さうしては麥藁俵むぎわらだはらそばいた蒟蒻こんにやく手桶てをけをどうかすると無意識むいしきつめる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「それでもたはらにしちやいたな」勘次かんじ壁際かべぎは麥藁俵むぎわらだはらていつた。おしなはまだ俯伏うつぶしたまゝである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)