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おんがく
マーキュ
何ぢゃ、
調子を
合せて?
吾等を
樂人扱ひにするのか?
樂人扱ひに
爲りゃ、
耳を
顛覆らする
音樂を
聞す。
準備せい。
『
多分最う』と
愛ちやんは
恐る/\
答へました、『だけど、
私が
音樂を
習ふ
時には、
時を
打たなくてはならないわ』
此の
峰、
此の
谷、
恁る
思。
紅の
梢を
行く
汽車さへ、
轟きさへ、
音なき
煙の、
雪なす
瀧をさかのぼつて、
輕い
群青の
雲に
響く、
幽なる、
微妙なる
音樂であつた。
私は
時折種々な
事を
妄想しますが、
往々幻想を
見るのです、
或人が
來たり、
又人の
聲を
聞いたり、
音樂が
聞えたり、
又林や、
海岸を
散歩してゐるやうに
思はれる
時も
有ります。
時に
神學の
議論まで
現はれて一しきりはシガーの
煙を
熢々濛々たる
中に
六七の
人面が
隱見出沒して、
甲走つた
肉聲の
幾種が
一高一低、
縱横に
入り
亂れ、これに
伴ふ
音樂はドスンと
卓を
打つ
音
此珍らしき
音樂の
妙手に
握手の
譽を
得んと
嘈めくのである。
何故「
銀の
調」ぢゃ?
何故「
音樂の
銀の
調」ぢゃ?……
猫腸絃子どん、さ、
何とぢゃ?
『さうよ』と
云つて
愛ちやんは、『
私達は
佛蘭西語と
音樂とを
習つたわ』
ピータ ほい、
眞平御免なれぢゃ。
足下は
唄方であったものを。
乃公が
代って
言はう。そも/\「
音樂の
銀の
調」と
謂っぱ、はて、とかく
樂人は金貨には
能うありつかぬからぢゃ。
『あァ!それならお
前のは
眞個に
善い
學校ではなかつたのだ』と
海龜は
大なる
確信を
以て、『
今私どもの
方では
其麽ものは
皆な
課目表の
終りにある、「
佛蘭西語や、
音樂や、それから
洗濯——
其他」』