“甲走”の読み方と例文
読み方割合
かんばし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不夜城を誇り顔の電気燈にも、霜枯れ三月みつきさびしさはのがれず、大門おおもんから水道尻すいどうじりまで、茶屋の二階に甲走かんばしッた声のさざめきも聞えぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
このオソラクが甲走かんばしった声であったので、自分はふと耳を立てると、男の声で「オソラクってそりゃ何の事だ。誰に習ったのか」
雪ちゃん (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
甲走かんばしった声が聞えました。誰の発言かと見れば、それは焼けて壊れた提灯を膝の上に載せていた神尾主膳の口から出たものであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)