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露出
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ろしゆつ
其二尺程下の
勾配の
一番急な
所に
生えてゐる
枯草が、
妙に
摺り
剥けて、
赤土の
肌を
生々しく
露出した
樣子に、
宗助は
一寸驚ろかされた。
唯、一
箇所、
丈餘の
貝層の
下部から一二
尺の
處に、
小石で
爐の
如く
圍つた
中で、
焚火をしたらしい
形跡の
個所が、
半分切くづされて
露出して
居るのを
見出した。
大久保から
見せられた
彼女の
手紙によると、
彼女がしをらしくも
彼の
愛に
縋らうとしてゐる
気持が、
偽りなく
露出してゐたが、
今彼につれられて
目の
前に
現はれた
彼女を
見ると