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ふりがな文庫
“
陳
(
つら
)” の例文
の名句を
陳
(
つら
)
ねたから、始皇は之に動かされ、已に歸國の途中に在つた李斯を召還して、逐客の令を撤囘したことがある。
秦始皇帝
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
道を転じて静緒は
雲帯橋
(
うんたいきよう
)
の在る
方
(
かた
)
へ導けり。橋に出づれば正面の書院を望むべく、はや
所狭
(
ところせま
)
きまで
盃盤
(
はいばん
)
を
陳
(
つら
)
ねたるも見えて、夫は席に着きゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ただ疑い思うところを
陳
(
つら
)
ねてさらに説の正確を他日に期したいまでである。発表が極めて曖昧なる態度であることは、大方諸賢の御容赦に与りたい。
「エタ」名義考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
新
(
あらた
)
に監獄を出たるものが一醉飽を欲するは人の免れぬ情であらうが、名門鉅族の人は、美酒佳肴前に
陳
(
つら
)
なるも、
然
(
さ
)
のみ何とも思はざるが如くである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
其法養の趣旨を述べるのが
表白
(
ヘウビヤク
)
である。此も唱導と言ふが、中心は此処にない。唯、表白は祭文化、宴曲化し、美辞や警句を
陳
(
つら
)
ねるので、会衆に喜ばれた。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
国事に奔走する憂国の志士の心事も——無論少数の除外はあるが——後世の伝記家が痛烈なる文字を
陳
(
つら
)
ねて形容する如き朝から晩まで真剣勝負のマジメなものではないであろう。
二葉亭四迷:――遺稿を整理して――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
泰勝院殿は
甲冑
(
かっちゅう
)
刀剣
弓
(
ゆみ
)
鎗
(
やり
)
の類を
陳
(
つら
)
ねて御見せなされ、蒲生殿意外に
思
(
おぼ
)
されながら、一応御覧あり、さて実は茶器拝見致したく参上したる次第なりと申され、泰勝院殿御笑いなされ
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
其
(
そ
)
の
宗室
(
そうしつ
)
を
會
(
くわい
)
して、
長夜
(
ちやうや
)
の
宴
(
えん
)
を
張
(
は
)
るに
當
(
あた
)
りては、
金瓶
(
きんべい
)
、
銀榼
(
ぎんかふ
)
百餘
(
ひやくよ
)
を
陳
(
つら
)
ね、
瑪瑙
(
めなう
)
の
酒盞
(
しゆさん
)
、
水晶
(
すゐしやう
)
の
鉢
(
はち
)
、
瑠璃
(
るり
)
の
椀
(
わん
)
、
琥珀
(
こはく
)
の
皿
(
さら
)
、いづれも
工
(
こう
)
の
奇
(
き
)
なる
中國
(
ちうごく
)
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
てこれあらず、
皆
(
みな
)
西域
(
せいゐき
)
より
齎
(
もたら
)
す
處
(
ところ
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
懸茶屋
(
かけぢゃや
)
には
絹被
(
きぬかつぎ
)
の芋
慈姑
(
くわい
)
の
串団子
(
くしだんご
)
を
陳
(
つら
)
ね
栄螺
(
さざえ
)
の壼焼などをも
鬻
(
ひさ
)
ぐ。
百眼売
(
ひゃくまなこうり
)
つけ
髭
(
ひげ
)
売
蝶〻
(
ちょうちょう
)
売
花簪
(
はなかんざし
)
売風船売などあるいは屋台を据ゑあるいは立ちながらに売る。花見の客の
雑沓狼藉
(
ざっとうろうぜき
)
は筆にも記しがたし。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一昨年(大正五年)十二月の『風俗』に、林若樹君が「不思議な薬品」てふ一文を出し、本邦現存最古の医書
丹波
(
たんば
)
康頼の『医心方』から引き
陳
(
つら
)
ねた奇薬の名の内に、馬乳、白馬茎、狐と狗の陰茎あり。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
(一) 孔子は子供の時、
俎豆
(
そとう
)
を
陳
(
つら
)
ね
礼容
(
れいよう
)
を設けて遊んだ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
とかくする
間
(
ま
)
に
盃盤
(
はいばん
)
は
陳
(
つら
)
ねられたれど、満枝も貫一も三
盃
(
ばい
)
を過し得ぬ
下戸
(
げこ
)
なり。女は清めし
猪口
(
ちよく
)
を
出
(
いだ
)
して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
善言・美辞を
陳
(
つら
)
ねて、荘重な呪言の外形を整へ、遺漏なく言ひ誤りのない物となつたのは、此神の力だとする。此神を一に
八意思金
(
ヤゴヽロオモヒカネ
)
ノ
神と言ふのも、さうした行き届いた発想を讃美しての名である。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
蒲生殿参られ候に、泰勝院殿は
甲冑
(
かっちゅう
)
刀剣弓鎗の類を
陳
(
つら
)
ねて御見せなされ、蒲生殿意外に
思
(
おぼ
)
されながら、一応御覧あり、さて実は茶器拝見致したく参上したる次第なりと申され、泰勝院殿御笑いなされ
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
やがて裁判長は被告に向かいて二、三の訊問ありけるのち、弁護士は渠の
冤
(
えん
)
を
雪
(
すす
)
がんために、
滔々
(
とうとう
)
数千言を
陳
(
つら
)
ねて、ほとんど余すところあらざりき。裁判長は事実を
隠蔽
(
いんぺい
)
せざらんように白糸を
諭
(
さと
)
せり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“陳”の意味
《ザ変動詞》
述べる。
言い張る。
(出典:Wiktionary)
陳
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
“陳”を含む語句
陳謝
陳列場
陳腐
陳列
陳弁
陳套
陳述
陳情
陳辯
陳立
陳勝呉広
新陳代謝
陳勝呉廣
陳套語
陳者
陳列棚
開陳
具陳
陳皮
陳武
...