“遣（やれ）” の例文
聞て呉（くれ）尋常（あたりまへ）の手紙にては手前も一軒（けん）の主人（あるじ）容易（ようい）に出て來る氣遣（きづかひ）はないと思ひしゆゑ我等が謀計（はかりごと）にて九死一生なりと云て遣（やれ）ば如何に遠國（ゑんごく）にても殊（こと）に寄たら來るべしと思ひての事なりしが斯（かく）面（かほ）を
大岡政談 (旧字旧仮名) ／ 作者不詳(著)
揚（あげ）て困（くるし）む事大方ならず後藤は夫で好々（よし／＼）最（もう）寛（ゆる）して遣（やれ）と聲をかけサア汝斯（かう）印（しるし）を付て遣はすにより以來心を改め眞實（まこと）の人間になるべし萬一又々惡心（あくしん）萌（きざし）たなれば其時其小鬢（こびん）の入墨（いれずみ）を水鏡（みづかゞみ）に寫（うつ）し今日の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) ／ 作者不詳(著)
三人昨日五人と何（どれ）が何（どう）だか分る者か何でも宜（いゝ）は金さへ取ば仔細なしだ生首（なまくび）一ツ渡して遣（やら）うと云は脇（わき）から一人の非人が夫でも親（おや）の首（くび）だと云から向うにも見知（みしり）が有（あら）う外（ほか）の首では承知しまいと云ば一人の非人然（され）ばさ何だと云て相手（あひて）は座頭の坊（ばう）だから見分（みわけ）が有物か首さへ遣（やれ）ば宜（いゝ）然樣（さう）して直に下屋敷へ葬むるで有らうから宜（いゝ）は
大岡政談 (旧字旧仮名) ／ 作者不詳(著)