“遣放”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やりぱな37.5%
やりっぱな12.5%
やりつぱな12.5%
やりはな12.5%
やりばな12.5%
やりッぱな12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雲から投出したような遣放やりぱなしの空地に、西へ廻った日の赤々とす中に、大根の葉のかなたこなたに青々と伸びたをながめて
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
但しまだ独身であるから、女は居ても何となく書生が寄合ったという遣放やりっぱなしな処があって、悪く片附かないかまえの、かくさず明らさまなのが一際奥床しい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
インキのつぼを、ふらここのごとくにつて、金釦きんぼたんにひしやげた角帽かくばう、かまひつけぬふうで、薄髯うすひげあたらず遣放やりつぱなしな、威勢ゐせいい、大學生だいがくせいがづか/\とはひつてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、も一つ押被せたが、そのまま、遣放やりはなしにも出来ないのは、彼がまだ何か言いたそうに、もじもじとしたからで。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遣放やりばなしに手入れをしないから、根まわり雑草の生えた飛石とびいしの上を、ちょこちょことよりは、ふよふよと雀が一羽、羽を拡げながら歩行あるいていた。家内がつかつかと跣足はだしで下りた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶渋に蕎麦切そばきりからませた、遣放やりッぱなしな立膝で、お下りを這曳しょびいたらしい、さめた饂飩うどんを、くじゃくじゃとすする処——
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)