腹痛ふくつう)” の例文
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かんがへろとはれゝば、かんがへないでもないが、それは一應いちおう腹痛ふくつうをさまつてからのことでなくては無理むりであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
中でも一番先に腹痛ふくつうを起した小僧の三吉は、平次が驅けつけた時はもう息根いきのねが絶えて居りました。
やっと、くさはじめると、くすりになるのばかり百しゅほどつんで、ねりわせたのが、このくすりですから、腹痛ふくつうや、しょくあたりなどによくききます。これをおいてまいりましょう。
山に雪光る (新字新仮名) / 小川未明(著)
乞としばしえんもとやすらひぬ餠屋もちやの店には亭主ていしゆと思しき男の居たりしかば寶澤其男にむかひ申けるは私しは腹痛ふくつう致し甚だ難澁なんじふ致せばくすり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分じぶんいま腹痛ふくつうなやんでゐる。その腹痛ふくつううつたへいだいてると、豈計あにはからんや、その對症たいしやう療法れうはふとして、づかしい數學すうがく問題もんだいして、まあこれでもかんがへたらからうとはれたと一般いつぱんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひきずりながらあとに從ひ音羽町の七丁目迄來りしが長三郎は此時は頻に腹痛ふくつうなし初めこらへ難なく成しかばかはやいらんと思へども場末ばすゑの土地とてかりんと思ふ茶屋さへあらぬにこうじたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)