)” の例文
けれど、その速度にも、楽器の音階のように、じょきゅうがあった。風が加われば急になり、地の雪を捲いて旋風つむじになると、破を起す。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うららかなうぐいすの声と鳥の楽が混じり、池の水鳥も自由に場所を変えてさえずる時に、吹奏楽が終わりの急なになったのがおもしろかった。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
すべての通信機関がすっかりかいされてしまったために、地方とのれんらくが全然とれなくなったことです。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
余の書窓しょそうから西にながむる甲斐かい山脈さんみゃくして緑色近村きんそんの松のこずえに、何時の程からか紅白染分そめわけの旗がひるがえった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ここに死がいのちに克つにあらず、いのちが死をするものにして、死は到底いのちにはむかふ力なし。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
とにかく舊式きうしきの名人せいはなはだいい。ただ問題もんだい棋界きかい功勞こうろうがあり、而もおとろへた老棋士ろうきしろう後の生くわつたいして同時に何等かの考慮こうりよはらはるべきである事をぼくは切言したい。
能の演出を根本的に裏づけるものはじよきふの原則である。序は初めの部分で、それをば遅滞しないやうに大まかに進め、見物人の興味を早く主要部の方へ導く方針で運ばせねばならぬ。
演出 (新字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
アカイア軍を今よりもなほ痛烈にすべきを。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
工兵隊は引つづき毎日爆薬で、やけあとのたてもののだんぺんなぞを、どんどんこわしていました。九階から上が地震でくずれ落ちた浅草の十二階もばくされてしまいました。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)