“破綻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はたん95.8%
ほころび2.1%
ひゞだけ0.7%
ぼろ0.7%
みだれ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十年前、私はる出来事のために私の神経の一部分の破綻はたんを招いたことがありました。私の神経がそのために随分いたんでしまいました。
病房にたわむ花 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ことわざにも言うとおり、旧い衣のつくろいに新しい布を縫いつけるとかえって破綻ほころびは大となり、新しい酒を古い革嚢かわぶくろに入れるとかえって嚢が破れる。
ほうきじりで破綻ひゞだけのいるほどたれても恐れる人間じゃアねえが、おめえさんの拳骨で親に代ってつと云う真実な意見のうちに、手前てめえは虫よりも悪い奴だ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お延は夫より自分の方がき込んでいる事に気がついた。この調子でしかかって行ったところで、夫はもうつぶされないという見切みきりをつけた時、彼女は自分の破綻ぼろを出す前に身をひるがえした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、何せよ、五体ままならぬ重蔵、ともすると、鉄壁の構えに一毛の破綻みだれを生じて、無念や、一ヵ所二ヵ所と、虚無僧ごろもを染めてゆく、掠り傷の血痕けっこんが増して見えた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)