破綻ほころび)” の例文
ことわざにも言うとおり、旧い衣のつくろいに新しい布を縫いつけるとかえって破綻ほころびは大となり、新しい酒を古い革嚢かわぶくろに入れるとかえって嚢が破れる。
このままでいれば店を閉めるより他はないので、お常は一人娘のお熊が優れて美しいのを幸いに、持参金附の婿を探して身代の破綻ほころびを縫おうとした。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『幸ちゃん今日きょうはどうかしているよ』とお神さんは言ったが、先生別に返事をしないで立てひざをしながらお神さんの手元をながめていた。お神さんは時田のシャツの破綻ほころびを繕っている。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)