“革嚢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわぶくろ54.5%
かばん18.2%
かくのう9.1%
かはぶくろ9.1%
カバン9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忌々いまいましいことばかり聞く日だ」と、革嚢かわぶくろの小銭をかぞえて、なにか、油物をじりじり揚げている食べ物売りの裏口をのぞいて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何卒どうぞ、先生、主義の為めに御奮闘を願ひます」慇懃いんぎんに腰をかがめたる少年村井は、小脇の革嚢かばんしかと抱へて、又た新雪あらゆき踏んで駆け行けり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それから税関の騒擾そうじょう吃驚きっきょうしたり、馬車の御者が膝の上にも達する長い靴をはき、鞭をとり、革嚢かくのうを持っているのを不思議がったり、初めてミミズを見たり、ノルマンヂイの痩せた豚で驚いたりした。
それは鎌の様に湾曲した太刀と、鏡の如く輝くたてと、今一つは革嚢かはぶくろである。このほかになほ「闇隠れの兜」を呉れる。この兜を載くと何物も其の姿を見ることが出来ぬやうになるのである。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
左様さようなら一寸ちょっと革嚢カバンさげてゆきかゝれば亭主ていしゅ案内するを堅く無用と止めながら御免なされと唐襖からかみ開きて初対面の挨拶あいさつおわりお辰素性のあらまし岩沼子爵の昔今を語り
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)