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むにむさん
ふりがな文庫
“
無二無三
(
むにむさん
)” の例文
そうしてもう一度
無二無三
(
むにむさん
)
に、妻の体を梁の下から引きずり出そうと致しました。が、やはり妻の下半身は
一寸
(
いっすん
)
も動かす事は出来ません。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無二無三
(
むにむさん
)
に攻めつぶし、あるいは攻めがたいものは欺いて連れ出して縛り首を打ったけれども、これは決して容易な事業でないからして
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
折から
一天
(
いってん
)
俄
(
にわか
)
に
掻曇
(
かきくも
)
りて、
颷
(
ど
)
と吹下す風は海原を
揉立
(
もみた
)
つれば、船は
一支
(
ひとささえ
)
も
支
(
ささ
)
えず矢を射るばかりに突進して、
無二無三
(
むにむさん
)
に沖合へ流されたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
次第
(
しだい
)
/\に
鐵車
(
てつしや
)
を
曳上
(
ひきあ
)
げ、
遞進機
(
ていしんき
)
は
螺旋形揚上機
(
らせんけいやうじやうき
)
とは
反對
(
はんたい
)
に、
後方
(
こうほう
)
の
巖石
(
がんせき
)
を
支臺
(
さゝへ
)
として、
彈力性
(
だんりよくせい
)
の
槓桿
(
こうかん
)
の
伸張
(
しんちやう
)
によつて、
無二無三
(
むにむさん
)
に
鐵車
(
てつしや
)
を
押上
(
おしあ
)
げるのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お浜は片手には泣き叫ぶ郁太郎を
抱
(
かか
)
えて、片手を伸べて
無二無三
(
むにむさん
)
に竜之助を突き起します。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
伊勢
(
いせ
)
の陣から引っかえした
秀吉勢
(
ひでよしぜい
)
は、おそろしい勢いで、
無二無三
(
むにむさん
)
に北国
街道
(
かいどう
)
をすすみ、
堂木山
(
どうきざん
)
に本陣をおいて、
柴田勢
(
しばたぜい
)
を追いちらし、
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
まで
馳
(
か
)
けすすんでゆくというありさまです
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬は、
創
(
きず
)
の痛みで
唸
(
うな
)
っている
何小二
(
かしょうじ
)
を乗せたまま、
高粱
(
こうりょう
)
畑の中を
無二無三
(
むにむさん
)
に駈けて行った。どこまで駈けても、高粱は尽きる
容子
(
ようす
)
もなく茂っている。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、一刻も早く東京へ——
唯
(
ただ
)
その
憧憬
(
あこがれ
)
に、山も見ず、雲も見ず、
無二無三
(
むにむさん
)
に道を急いで、忘れもしない、村の名の
虎杖
(
いたどり
)
に着いた時は、
杖
(
つえ
)
という字に
縋
(
すが
)
りたい
思
(
おもい
)
がした。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから休憩時間の
喇叭
(
らっぱ
)
が鳴るまで、
我
(
わが
)
毛利先生はいつもよりさらにしどろもどろになって、
憐
(
あわれ
)
むべきロングフェロオを
無二無三
(
むにむさん
)
に訳読しようとした。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人の身の
丈
(
たけ
)
よりも高い高粱は、
無二無三
(
むにむさん
)
に駈けてゆく馬に踏みしだかれて、波のように起伏する。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は
素早
(
すばや
)
く足を
縮
(
ちぢ
)
めて、相手の武器を飛び越えると、
咄嗟
(
とっさ
)
に腰の剣を抜いて、牛の
吼
(
ほ
)
えるような声を挙げた。そうしてその声を挙げるが早いか、
無二無三
(
むにむさん
)
に相手へ斬ってかかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“無二”で始まる語句
無二
無二斎
無二膏
無二庵
無二者