“死(お)” の例文
それまでにぜひとも壊血病(くずれ)になるつもりで、死(お)ちた海鴨とロッペンの卵のほかは喰うまいとかくごをきめたのでございます。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
見(み)さつせえ、形(かたち)は同(おな)じやうな出来(でき)だが、の、お前様(めえさま)の鮒(ふな)は水(みづ)に入(い)れると腹(はら)を出(だ)いたで、死(お)ちた魚(いを)よ、……私等(わしら)が鮒(ふな)は、泳(およ)ぎ得(え)いでも、鰭(ひれ)を立(た)てたれば活(い)きた奴(やつ)。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
しかも生きている、顫(ふる)えている、わなないている、気死して醒めて、痙攣して、極度に蒼ざめて、また赤く熱して、膨らんで、張って、真っ白に死(お)ちかかってである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
溝川に死(お)ちた鯉の、あの浅ましさを見ますにつけ、死んだ身体(からだ)の醜(みにく)さは、こうなるものと存じましても、やっぱり毒を飲むか、身を投げるか、自殺を覚悟していました。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
泣いても焦(ぢ)れても、死(お)ちたらお陀仏(おだぶつ)
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)