欲深よくふか)” の例文
まったく、ひとりぽっちでおりましたけれど、欲深よくふかなものですから、かねをためることばかりかんがえていて、さびしいということなどりませんでした。
夏とおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
父親和尚ちゝおやおしよう何處どこまでもさばけたるひとにて、すこしは欲深よくふかにたてどもひと風説うはさみゝをかたぶけるやうな小膽せうたんにてはく、ひまあらば熊手くまで内職ないしよくもしてやうといふ氣風きふうなれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見慣みならひて平生へいぜいはすはにそだちしは其の父母の教訓をしへいたらざる所なり取譯とりわけはゝこゝろよこしまにて欲深よくふかく亭主庄三郎は商賣しやうばいの道は知りても世事せじうと世帶せたいは妻にまかおくゆゑ妻は好事よきことにしてをつとしりき身上むき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
無益むえきよくが、かえって人間にんげん不幸ふこうにするのだ。そして、欲深よくふかになったものは、もう二と、まれたときのような、うつくしい気持きもちにはなれないのだ。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そう、人間にんげんのように欲深よくふかでもないし、いちどしんじれば、気変きがわりなんかしないからね。」と、秀吉ひできちこたえたのです。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
だれともあらそわず、なかよくらしてゆくのが、本意ほんいなんだ。このなかが、まちがっていることにづかなかったばかりに、おれも、いつしか欲深よくふか人間にんげんになってしまった。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげんだっておなじじゃないか、毎日まいにちのように、わかいもの、年寄としよりの区別くべつなくんではかへゆくのに、自分じぶんだけは、いつまでもきているとおもって、欲深よくふかくしているのだ。」
あらしの前の木と鳥の会話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、このおとこは、なかなか欲深よくふかでありました。五、六ねんもたって、ふと、いつか自分じぶん無花果いちじくともだちのもとにあずけておいたことをおもしました。さっそくりにゆきました。
ある男と無花果 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんうちにいた女中じょちゅうのしげは、およめはなしどころでなく、いつも欲深よくふかげな父親ちちおやがたずねてきては、そとして、おしげがはたらいてもらったおかねを、みんなげていってしまったすえ
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ばかものめ、たとえかみさまがいらしても、ひとのためをおもわぬ欲深よくふかや、ひきょうものに、なんで味方みかたをなさるものか。とりや、けものをるがいい。いつもいきいきとして、自由じゆうにたのしんでいる。
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
欲深よくふかなからすは、なにをてもほしいものばかりなので、もしや、このあたりになにかちていはしないかと、あたりをまわしながら、あっちの、こっちのとうろうろびまわっていました。
からすとうさぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)